書評

これからの時代、仕事に必要なスキルは「サイエンス」か「アート」か

 

「稼げるようになりたい」と思って、資格試験や、大学の勉強を頑張っている。

しかしどこか、違和感を感じている・・

これは現在の僕の状態です。同じような違和感を感じている人も多いのではないでしょうか。

 

スティーブ・ジョブズをはじめ、成功者と呼ばれる人の中には、大学を中退している人もいますからね。

そして高学歴でも、稼げていない人はたくさんいるのです。

東大卒でも、平均年収は631万円ですから。(それでも十分に高いですが)※参照元

これらの事実が、「そもそも”お勉強”は必要なのか」という疑問を抱かせます。

 

今回は、これからの時代には「サイエンス」だけでなく「アート」も大事なんじゃないか」ってお話。

なぜ「アート」が大切なのか。

Pexels / Pixabay

 

経済学的に、「サイエンス」では大きく稼げない

「科学とは、”再現性”である」と大学で組織心理学の教授がおっしゃっていました。

再現性とは、「何度でも、くり返し可能である」くらいの意味です。

条件を同じにすれば、いつでも当てはまるということ。

 

再現性があるからこそ、みんなの役に立つんですね。

「俺は経験的に、コレが正しいと思う!」といっても、その主張に再現性はなく、その人だけに当てはまるコトかもしれません。

または単なる思い込みの可能性もあります。

 

しかし「再現性」があることは、「誰にでもマネが出来る」ことに他なりません。

 

需要と供給によって価格は決まります。

ですから「誰にでもマネが出来る」市場には、たくさんの人が参入することになるのです。

するとすぐに供給超過となり、価格は下がるのです。

つまり、稼げなくなります。

 

「再現性」という性質上、「サイエンス」で他者と差別化することは難しい。

「サイエンスでは稼げない」ことを「サイエンスである経済学」が証明してしまっているのは、なんとも皮肉なことです。

これは優れた経済学者が、優れた投資家でないことからも明らかです。(ノーベル経済学賞受賞者が作ったファンド破綻した、なんて話もあります。

 

※そもそも経済学は金儲けの学問ではないです。そして純粋な科学とは言えない気もします。経済学には物理学の「ma=F」に当たる関数が欲しいところなのですが、存在していません。「効用」という抽象的なモノを扱っているため、仕方がないですね。「ma=F」のような普遍的に当てはまる関数が無い以上、経済学は「サイエンスになりきれなかったアート」という捉え方が正しいかもしれません。

 

最後は「感覚」に頼るしかない

 

そもそも、未来は予想できません。

いくら過去のデータを元にして正しさが証明されたとしても、未来は変わる可能性があります。

特に昨今は時代の流れが速く、過去のデータが役に立たない場面も多いでしょう。

データを集めて綿密に計画を練っているうちに、他社に先を越されることもあるかもしれません。

 

またデータを元に未来が予想できないのであれば、最終的にGoサインをだすのは、「直観」や「感性」といった「アート」の分野となります。

アップルがiPhoneをつくったとき、「iPhoneが売れる」というデータが存在したはずはありません。

任天堂が新しいゲームを開発するとき、それがヒットする保証はどこにもありません。

 

最終的には「感覚」に従うしか無いのです。

サイエンス偏重の頭でっかちな人は、「データが無いと動けない」状態に陥ります。

それではいつまでたっても、決断を下せないでしょう。

 

「サイエンス」の否定ではない。

geralt / Pixabay

 

サイエンスによる差別化も可能

大学が企業と提携して、最新の技術を生み出している、といった例もあります。

最新の論文や技術にキャッチアップしていく能力、あるいは新しい科学技術を生み出す側になることで、他との差別化を図る方法もありえるのです。

高度な専門性を持って、差別化するということ、レッドオーシャンの中で頑張るということです。

 

とはいえ「イノベーション」はすぐに「コモディティ化」(ありふれた物になる)のです。

ソニーがウォークマンを発売したとき、人々は大変な衝撃を受けたでしょう。

しかしすぐに他社にパクられ、コモディティ化してしまいました。

「特別」はすぐに「社会平均」となってしまいます。

 

イノベーションで恩恵を受けられるのは、ほんの短い間だけなのです。

これでは常にイノベーションを起こし続けなければいけません。

簡単なことではないですね。

 

※参考:『働き方の損益分岐点』

 

分業化する

理系の人は、「科学的な裏付けが無いと不安」な人も多いかもしれません。

そんな人が嫌々、「アート」を学ぶのも違う気がします。

 

得意分野は人それぞれですし、1人でできることは限られています。

だからこそ、分業しているわけですよね。

 

「サイエンス」と「アート」のどちらに比重を置くかは、各人が決めていけばよいと思います。

 

ただAI時代においては、再現可能なモノは、AIにとって代わる可能性は大きいと思います。

更に最近ではSTEM教育が叫ばれていて、世の中はますます「サイエンス」偏重になっていきそうです。

 

そうなれば「サイエンス」のみでの差別化はさらに難しくなる。

「サイエンス」に比重を置く際には、そのことを肝に銘じておく必要がありそうです。

 

僕自身は、どうするか

 

僕はずっと、投資に興味がありました。将来的には、「投資で稼げるといいなぁ」と淡い夢を見ています。

投資においては科学よりもアートの要素が強い

引用元:『投資で一番大切な20の教え』

先述しましたが、経済学的に「サイエンス」だけで稼ぐことは、難しいと思います。

かといって何の勉強もせずに、直観だけで投資するわけにもいきません。

会計・ファイナンスの勉強は必須です。

結局は、「サイエンス」と「アート」の両方が大切、という話になります。

 

「サイエンス」と「アート」の両方を、高いレベルで身に付けたい。

そして「理屈」だけでなく、「実践」もできる人間でありたい。

 

「幅広い視野を持つ、教養のある大人」が、僕の理想像です。

先は長いですね・・

 

★★参考文献★★

以上は『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』の感想でした。

 

この本は「サイエンス」を偏重している人に、新たな視点を与えてくれる一冊です。

僕は高校生のころは理系でした。

しっかり受験勉強もしてきた(浪人もした)頭でっかちなタイプです。

 

そのため「サイエンス」偏重の人間だったのですが、どこか違和感を覚え、この本を手にとりました。

「社会に出たら、問題集のように答えは無いんだよ。」

そんな説教の意味が、やっと分かった気がします。

 

本の中では、他にも・・

・なぜ日本では「サイエンス」が重視されるのか

・「サイエンス」重視の傾向が、企業の相次ぐ不祥事の原因である

・具体的な「アート」的な素養のきたえ方

について書かれています。

 

著者は慶応の文学部・哲学科出身で、元経営コンサルタントという変わった経歴の「山口 周」さん。

読了後に、「この本は山口さんにしか書けないのでは」と思いました。

 

文章構成が、非常に論理的で読みやすい。

そして研究(サイエンス)だけでなく、哲学や歴史(アート)からも主張に説得力を持たせています。

 

著者の教養の高さがうかがえます。初心者ブロガーとして、文章力にも憧れますね。

山口さんの他の本も読みたいと思います。

 

******

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』要約が、時短読書ツール【flier】で読めます。

よければぜひ、↓記事もチェックしてください。

【最高】本の要約サイトflier(フライヤー)の口コミ・評判・料金は? ・読みたい本を、すべて読むだけの時間がない ・効率よく読書したい 本記事では、「忙しいけど、スキルア...

 

※2019/07/01

執筆者:湯川あやと

Twitter @AyatoYukawa

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