英検準一級とTOEICのスコアはどう対応するのか。結論から言う。英検準一級はTOEIC 700〜800点に相当するとされている。
ただしこの「換算」は単純な置き換えではない。英検準一級は4技能(読む・聞く・書く・話す)を全て問われるアカデミックな試験であり、TOEICは2技能(読む・聞く)のビジネス英語を問う試験だ。求められる英語力の「方向性」が根本的に異なるため、換算スコアはあくまで目安として理解する必要がある。
この記事では、英検準一級とTOEICの換算スコア・難易度の項目別比較・どちらが難しいか・効果的な組み合わせ学習法まで徹底解説する。
英検準一級とTOEICの基本情報をおさらいしましょう

英検準一級とはどのような試験か
英検準一級は公益財団法人日本英語検定協会が実施する英語資格試験で、CEFR B2レベル(大学中級程度)に相当する。リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4技能を全て測定する総合的な英語力試験だ。
英検準一級の概要:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| レベル | CEFR B2(大学中級程度) |
| 測定技能 | 4技能(リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング) |
| 合格基準 | 一次試験CSEスコア1792点以上・二次試験CSEスコア512点以上 |
| 合格率 | 約15〜16% |
| 試験形式 | 一次試験(筆記)+二次試験(面接) |
TOEICとはどのような試験か
TOEIC(Test of English for International Communication)はETSが運営するビジネス英語のコミュニケーション能力を測定する試験だ。最も一般的なTOEIC L&R(Listening & Reading)はリスニングとリーディングの2技能を測定する。スコアは10〜990点の範囲で報告される。
TOEIC L&Rの概要:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 測定技能 | 2技能(リスニング・リーディング) |
| スコア範囲 | 10〜990点 |
| 合格・不合格 | なし(スコア制) |
| 試験時間 | 約2時間(リスニング約45分・リーディング約75分) |
| 問題数 | 200問(リスニング100問・リーディング100問) |
2つの試験が求める英語力の方向性の違い
英検準一級とTOEICの最大の違いは「何の英語力を測るか」だ。英検準一級はアカデミックな英語力を4技能で総合的に測定する。TOEICはビジネスシーンでの英語コミュニケーション能力をリスニングとリーディングの2技能で測定する。
英検準一級は社会問題についてスピーチする力・論理的に意見を書く力まで求められるのに対し、TOEICはメール・会議・プレゼンテーションなどのビジネスシーンでの情報処理速度が重視される。
英検準一級はTOEICに換算するとどのくらいのスコアになるのか

英検準一級のTOEIC換算スコアの目安
英検準一級のTOEIC換算スコアは700〜800点が一般的な目安とされている。
| 英検の級 | TOEIC換算スコア(目安) |
|---|---|
| 英検2級 | 550〜700点 |
| 英検準一級 | 700〜800点 |
| 英検1級 | 850〜950点以上 |
この換算は複数の調査データに基づく推定値であり、個人差が非常に大きい。英検準一級に合格していてもTOEICで600点台の人もいれば、逆にTOEIC 800点でも英検準一級に不合格の人もいる。
実データが示す合格者の平均TOEICスコアは732点
各種調査データによると、英検準一級合格者の平均TOEICスコアは約732点とされている。この数字は「英検準一級合格者が別途TOEICを受験した場合のスコア」であり、試験の性質の違いを反映したリアルな数値だ。
732点という数字は「TOEIC 730点が取れる人なら英検準一級に受かる」という意味ではなく、「英検準一級に受かった人がTOEICを受けるとだいたいこのくらいのスコアになる」という逆方向の関係だ。
CEFRを介した換算の考え方
英検とTOEICの換算はCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)を介して行うのが最も一般的な方法だ。
| CEFRレベル | 英検の級 | TOEIC L&Rスコア |
|---|---|---|
| A2 | 英検準2級 | 225〜545点 |
| B1 | 英検2級 | 550〜785点 |
| B2 | 英検準一級 | 785〜945点 |
| C1 | 英検1級 | 945点以上 |
CEFRの対応表では英検準一級はB2レベルに相当し、TOEIC L&Rでは785点以上が同レベルに位置づけられる。つまりCEFRベースでは「英検準一級=TOEIC 785点以上」という対応関係になる。
注意:CEFRの対応表は各試験の運営団体が独自に設定しているため、厳密な一対一の対応ではない。あくまで目安として活用すること。
英検各級とTOEICスコアの対応表で自分のレベルを確認しましょう

英検3級〜1級のTOEIC換算スコア一覧
| 英検の級 | TOEIC換算スコア(目安) | CEFRレベル |
|---|---|---|
| 英検3級 | 300〜400点 | A1〜A2 |
| 英検準2級 | 400〜550点 | A2〜B1 |
| 英検2級 | 550〜700点 | B1 |
| 英検準一級 | 700〜800点 | B2 |
| 英検1級 | 850〜950点以上 | C1 |
級が上がるごとにTOEIC換算スコアの差も拡大する傾向がある。英検2級と準一級の間は約100〜150点の差があり、準一級と1級の間は150〜200点以上の差がある。上位の級ほどステップアップに必要な学習量が大きくなることを意味している。
2級から準一級への「壁」とは
英検2級と準一級の間には大きな壁がある。語彙数で約2,000〜3,000語の増加、長文読解の難易度と分量の大幅な上昇、ライティングで社会問題について論理的に書く力の要求——これらが2級から準一級への壁を形成している。
TOEICで言えば、2級レベル(550〜700点)から準一級レベル(700〜800点)への100〜150点の上昇に相当するが、英検の壁はTOEICのスコアアップよりも実感として大きいと感じる受験者が多い。4技能全てが問われるため、苦手技能を避けて通れないことが壁の本質だ。
英検準一級の対策について詳しくは英検準一級の勉強法(Study Chain)でも解説されている。
英検準一級とTOEICの難易度を項目別に比較します

語彙・単語数の違い
| 項目 | 英検準一級 | TOEIC L&R |
|---|---|---|
| 必要語彙数 | 約7,500〜9,000語 | 約6,000〜8,000語 |
| 語彙の種類 | アカデミック・社会問題・科学技術 | ビジネス・日常・オフィス |
| 難易度 | 日常では使わない学術語彙が多い | ビジネスシーンの実用語彙が中心 |
英検準一級の語彙はTOEICよりも抽象度が高い。「deteriorate(悪化する)」「controversy(論争)」のような学術的な語彙が頻出する一方、TOEICでは「revenue(収益)」「merger(合併)」のようなビジネス語彙が中心だ。
リーディングの難易度比較
英検準一級のリーディングはアカデミックな内容(社会問題・科学・環境・歴史など)の長文が中心で、MARCHレベルの大学入試に近い難易度だ。一方、TOEICのリーディングはビジネス文書(メール・広告・レポート・記事)が中心で、1つ1つの文章は短いが200問を限られた時間で処理する速度が求められる。
英検準一級は「深く正確に読む力」、TOEICは「速く大量に処理する力」——リーディングで問われる力の方向性が異なる。
リスニングの難易度比較
英検準一級のリスニングは1つの音声が比較的長く(140〜150語程度)、社会問題やアカデミックな内容が含まれる。TOEICのリスニングは短い会話や短いアナウンスが中心で、ビジネスシーンの実用的な内容が多い。
英検準一級は「長い音声を集中して聞く力」、TOEICは「短い音声を次々と処理する力」——ここでも求められる力の方向性が異なる。
スピーキング・ライティングの有無
最も大きな違いは試験範囲だ。英検準一級は4技能(読む・聞く・書く・話す)全てを問われるのに対し、TOEIC L&Rは2技能(読む・聞く)のみだ。
英検準一級のライティングでは社会問題について120〜150語の意見文を書く力が求められ、スピーキングでは2分間のスピーチと質疑応答がある。TOEIC L&Rにはこれらの技能テストがない(TOEIC S&Wは別の試験として存在するが受験者数は少ない)。
スピーキングとライティングの有無が、同じ英語力でも英検準一級の方が「難しく感じる」最大の理由だ。
英検準一級とTOEIC 800点はどちらが難しいのか

合格率・取得難易度のデータから見る比較
英検準一級の合格率は約15〜16%——約6人に1人しか合格できない。一方、TOEICには合格・不合格がなくスコア制だが、TOEIC 800点以上を取得している受験者は全体の約10〜15%とされている。
数字だけを見ると取得難易度は近いが、試験の性質が大きく異なるため単純比較はできない。
英語力の「深さ」と「速さ」という観点での違い
英検準一級とTOEIC 800点の難しさは「深さ」と「速さ」の違いで整理できる。
| 観点 | 英検準一級 | TOEIC 800点 |
|---|---|---|
| 求められる力 | 英語力の「深さ」 | 英語力の「速さ」 |
| 語彙 | アカデミック語彙・イディオムの深い知識 | ビジネス語彙の幅広い知識 |
| リーディング | 長文を正確に読み解く精読力 | 大量の文章を素早く処理する速読力 |
| リスニング | 長い音声を集中して聞き取る力 | 短い音声を次々と処理する力 |
| 発信力 | ライティング・スピーキングで論理的に表現する力 | 問われない(L&Rの場合) |
「どちらが難しいか」の答えは「受験者の得意・不得意による」だ。4技能をバランスよく鍛えてきた人は英検準一級の方が取りやすいと感じ、リスニングとリーディングの速度に自信がある人はTOEIC 800点の方が取りやすいと感じる傾向がある。
ただし一般的には「英検準一級の方がTOEIC 800点より難しい」と感じる受験者が多い。スピーキングとライティングの存在が、TOEIC L&Rにはない追加のハードルとして立ちはだかるためだ。
英検準一級とTOEICを効果的に組み合わせる学習戦略
TOEIC 700点以上を土台にして英検準一級を目指す流れ
TOEIC 700点以上の実力があれば、英検準一級に挑戦する土台は整っている。TOEIC 700点レベルのリーディング力とリスニング力を「共通基盤」として活用し、英検準一級で追加で求められるライティング・スピーキング・アカデミック語彙を上乗せしていく——この流れが最も効率的だ。
具体的なステップ:
- TOEIC 700点で培ったリーディング・リスニングの基礎力はそのまま活かす
- 英検準一級の語彙(パス単準一級)でアカデミック語彙を追加する
- ライティングのテンプレートと社会問題の知識を身につける
- スピーキングの練習を追加する(オンライン英会話が効果的)
英検準一級合格後にTOEICスコアアップを狙うアプローチ
英検準一級に合格した後にTOEICを受験する場合、準一級で培った語彙力と読解力はTOEICでもそのまま活きる。追加で必要なのは以下の2点だ。
- ビジネス語彙の補強:英検にはないビジネス特有の語彙(invoice・quarterly reportなど)を覚える
- 速度への慣れ:TOEIC特有の「大量の問題を短時間で処理する」スピードに慣れるための演習
英検準一級の語彙力があれば、ビジネス語彙の追加は比較的短期間で完了する。TOEIC 800点到達は英検準一級合格者にとって現実的な目標だ。
目的別にどちらの試験を優先すべきか
| 目的 | 優先すべき試験 | 理由 |
|---|---|---|
| 大学受験(高校生) | 英検準一級 | 大学入試で英語試験免除・加点の優遇を受けられる |
| 就職活動(大学生) | TOEIC | 企業の採用基準としてTOEICスコアが広く使われている |
| 昇進・社内評価(社会人) | TOEIC | 多くの企業がTOEICスコアを昇進の基準に採用している |
| 海外留学 | 英検準一級(またはTOEFL/IELTS) | アカデミックな英語力の証明が求められる |
| 総合的な英語力の証明 | 英検準一級 | 4技能の実力を証明できる |
英検準一級合格に向けた具体的な対策ポイント
一次試験対策|リーディング・リスニング・ライティング
一次試験の合格率は約15%で、英検準一級合格の最大の関門だ。
リーディング対策:長文読解はMARCHレベルの大学入試を意識した精読トレーニングが効果的だ。社会問題・科学・環境・歴史などのテーマの英文に慣れておくことが重要だ。
リスニング対策:英検準一級のリスニングは140〜150語程度の長い音声が特徴だ。BBC・CNNなどの英語ニュースを毎日30分以上聴く習慣をつけ、ナチュラルスピードに慣れることが必要だ。
ライティング対策:社会問題について賛成・反対の両方の立場で意見を書く練習を毎日行う。「序論→本論1→本論2→結論」のテンプレートを覚えて使える表現を20〜30個身につければ、ライティングで安定した得点が取れるようになる。
二次試験対策|スピーキング・面接
二次試験は2分間のスピーチと質疑応答で構成される。与えられた5つのトピックから1つを選び、1分間の準備の後に2分間のスピーチを行う。
頻出テーマ(環境・教育・テクノロジー・経済・国際関係)について賛成・反対の両方の意見を準備しておくことが合格への鍵だ。オンライン英会話を活用して即興で英語で意見を述べる練習を日常的に行うことが最も効果的だ。
合格点から逆算するスコア戦略
英検準一級の合格には一次試験CSEスコア1792点以上・二次試験CSEスコア512点以上が必要だ。一次・二次を合わせた総合スコアは2304点以上が目安だ。
各技能で均等に得点するならリーディング・ライティング・リスニング各約597点が目標になる。ライティングを得点源にして600点以上を確保し、他の技能は570〜590点程度でカバーする——という戦略が現実的だ。
英検準一級とTOEICに関するよくある質問
英検準一級を持っていればTOEICは何点取れますか
英検準一級合格者の平均TOEICスコアは約732点とされている。ただし個人差が大きく、600点台の人もいれば850点以上の人もいる。英検準一級で培った語彙力と読解力はTOEICでも活きるが、TOEICのビジネス語彙と処理速度に慣れるための追加対策が必要だ。
TOEICで高得点を取っていれば英検準一級は受かりますか
TOEIC 800点以上の実力があれば、英検準一級のリーディングとリスニングは対応可能だ。しかしTOEIC L&Rにはないライティングとスピーキングの対策が追加で必要になる。TOEIC高得点者が英検準一級に不合格になるケースの多くは、ライティングまたはスピーキングの準備不足が原因だ。
TOEIC 800点を持っているなら、ライティングとスピーキングの対策に3〜6ヶ月集中すれば英検準一級合格は十分に射程圏内だ。
英検準一級とTOEICはどちらが就職・転職に有利ですか
就職・転職活動においてはTOEICの方が広く認知されている。多くの企業が採用基準としてTOEICスコアを明記しており、「TOEIC 700点以上」「TOEIC 800点以上」といった具体的な基準が設定されていることが多い。
一方、英検準一級は4技能の英語力を証明できるため「英語で実際にコミュニケーションが取れる人材」としての評価が高い。外資系企業・国際部門・英語教育の分野では英検準一級の方が高く評価されるケースもある。
最も効果的なのは「英検準一級+TOEIC 800点以上」の両方を保有することだ。これにより就職・転職のあらゆる場面で英語力をアピールできる。
まとめ|英検準一級とTOEICの換算と活用のポイント
英検準一級とTOEICの関係を最後に整理する。
- 換算スコア:英検準一級はTOEIC 700〜800点に相当。CEFR B2レベルではTOEIC 785点以上が対応。合格者の平均TOEICスコアは約732点
- 難易度の違い:英検準一級は英語力の「深さ」(アカデミック語彙・4技能・論理的表現力)を問い、TOEICは英語力の「速さ」(大量の情報処理・ビジネス語彙)を問う
- どちらが難しいか:一般的には英検準一級の方が難しいと感じる受験者が多い。スピーキング・ライティングの存在が追加のハードル
- 目的別の使い分け:大学受験・留学なら英検、就職・昇進ならTOEIC。両方持つのが最強
- 組み合わせ学習:TOEIC 700点を土台に英検準一級を目指す流れが最も効率的。リーディング・リスニングの共通基盤を活用する
英検準一級の勉強法についてさらに詳しくは英検準一級の勉強法(Study Chain)で確認できる。英語の名言でモチベーションを維持したい場合はやる気が出る名言まとめ(Study Chain)も参考にしてほしい。

