「MARCHと日東駒専の間にはどんな大学群があるのか」「旧帝大の次に難しい国立大学群は何か」——大学群の全体像を正確に把握している受験生は意外と少ない。
大学群とは、偏差値・歴史・地域などの共通点から分類された大学のグループだ。志望校選び・併願校選び・就職活動の学歴フィルターとしても活用される重要な知識であり、受験戦略を立てる上で全体像を把握しておくことが不可欠だ。
この記事では、東京一工から大東亜帝国まで、国公立・私立の全ての主要大学群を偏差値ランキング付きで一覧にまとめた。最新トレンドのSMART・志望校選びへの活用法も解説する。
大学群とは?受験生が知っておくべき基本知識

大学群とは偏差値・歴史・地域などの共通点から分類された大学のグループ
大学群は複数の大学を共通の特徴でグループ化したもので、各大学の頭文字を取って呼称されることが多い。MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)、日東駒専(日本・東洋・駒澤・専修)のように、受験生の間で広く使われている。
大学群はあくまで便宜的な分類であり、公式な制度ではない。しかし受験業界・就職活動・社会一般で広く認知されており、大学のレベル感を素早く把握するための共通言語として機能している。
大学群は志望校選び・併願校選び・就職活動でも活用される
大学群の知識は受験だけでなく、就職活動でも重要だ。企業の採用選考では「学歴フィルター」として大学群が参照されることがあり、MARCH以上・日東駒専以上といった基準で選考のラインが引かれるケースもある。
大学群のランキングはあくまで目安
注意:大学群のランキングはあくまで目安だ。同じ大学群内でも大学間・学部間で偏差値は大きく異なる。MARCHの中でも明治と法政では難易度に差があり、学部によってはさらに大きな差がある。大学群は全体の位置づけを把握するためのツールとして参考程度に活用すること。
大学群の偏差値ランキング【総合一覧表】

日本の大学群を偏差値順にランキング化した一覧表
| 順位 | 大学群名 | 構成大学 | 偏差値帯(目安) | 種別 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京一工 | 東京大・京都大・一橋大・東京工業大 | 70〜78 | 国立 |
| 2 | 旧帝大 | 東大・京大・北大・東北大・名大・阪大・九大 | 65〜78 | 国立 |
| 3 | 早慶 | 早稲田大・慶應義塾大 | 65〜72 | 私立 |
| 4 | 早慶上理 | 早稲田大・慶應大・上智大・東京理科大 | 62〜72 | 私立 |
| 5 | 金岡千広 | 金沢大・岡山大・千葉大・広島大 | 60〜67 | 国立 |
| 6 | SMART | 上智大・明治大・青山学院大・立教大・東京理科大 | 60〜67 | 私立 |
| 7 | MARCH / GMARCH | 明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大(+学習院大) | 57〜65 | 私立 |
| 8 | 関関同立 | 関西学院大・関西大・同志社大・立命館大 | 57〜65 | 私立 |
| 9 | 5S | 埼玉大・信州大・静岡大・滋賀大・新潟大 | 55〜60 | 国立 |
| 10 | 成成明学獨國武 | 成蹊大・成城大・明治学院大・獨協大・國學院大・武蔵大 | 55〜60 | 私立 |
| 11 | 日東駒専 | 日本大・東洋大・駒澤大・専修大 | 50〜57 | 私立 |
| 12 | 産近甲龍 | 京都産業大・近畿大・甲南大・龍谷大 | 50〜57 | 私立 |
| 13 | 大東亜帝国 | 大東文化大・東海大・亜細亜大・帝京大・国士舘大 | 45〜55 | 私立 |
(※偏差値は河合塾・駿台・ベネッセなどの模試に基づく目安であり、年度・学部によって変動する)
国公立と私立では単純比較できない
国公立大学は共通テスト5教科7科目以上を課される場合が多く、私立大学は3教科前後で受験できる場合が多い。科目数が多い国公立の偏差値60と、科目数が少ない私立の偏差値60は同じ難易度ではない。国公立と私立の偏差値を単純に比較しないことが重要だ。
同じ大学群でも大学間・学部間で偏差値に差がある
MARCHの中でも明治大学の一部学部は偏差値65を超える一方、法政大学の一部学部は偏差値57程度だ。「MARCHだから全部同じ難易度」ではない。志望校を選ぶ際は大学群ではなく、具体的な大学・学部の偏差値を確認する必要がある。
国公立大学の大学群ランキング【最難関〜中堅】

第1位|東京一工(東京大学・京都大学・一橋大学・東京工業大学)
偏差値70〜78。日本で最も難易度が高い大学群だ。東京大学と京都大学は文理両方の最高峰、一橋大学は文系最高峰、東京工業大学は理系最高峰として位置づけられている。
(※東京工業大学は2024年に東京医科歯科大学と統合して東京科学大学になった。これに伴い「東京一工」から「東京一科」という呼称も出始めている)
第2位|旧帝国大学(東大・京大・北大・東北大・名大・阪大・九大)
偏差値65〜78。戦前の帝国大学を前身とする7大学で、各地域の中核的な教育機関として高い研究水準を持つ。東大・京大が最上位、阪大・名大が続き、北大・東北大・九大がやや下に位置する——ただし学部によっては順位が変動する。
第3位|金岡千広(金沢大学・岡山大学・千葉大学・広島大学)
偏差値60〜67。旧帝大に次ぐ難関国立大学群だ。「旧帝大は難しいが、地方の国立大学の中では上位を目指したい」という受験生の目標になることが多い。地方の主要都市に位置し、地元での就職に非常に強い。
第4位|5S大学(埼玉大学・信州大学・静岡大学・滋賀大学・新潟大学)
偏差値55〜60。地方の中堅国立大学群だ。各県の代表的な国立大学であり、地元での知名度と就職実績が高い。金岡千広よりもやや低い偏差値帯で、地元志向の受験生に人気がある。
その他の国公立大学群
- 電農名繊(電気通信大・東京農工大・名古屋工業大・京都工芸繊維大):理工系に特化した国立大学群。理系志望者に人気
- 旧六医大(千葉・金沢・新潟・岡山・長崎・熊本の各大学医学部):戦前の旧制医科大学を前身とする名門医学部
- 駅弁大学:戦後に新設された地方国立大学の総称。各県に1つずつ設置されたことから「駅弁のように各地にある」という意味で呼ばれる
私立大学の大学群ランキング【関東編】

第1位|早慶(早稲田大学・慶應義塾大学)|偏差値65〜72
日本の私立大学の最高峰だ。文系・理系ともに全国トップクラスの難易度を誇り、就職活動・社会的評価においても国公立の旧帝大と並ぶ評価を受ける。「私立の最高峰」と言えば早慶——この認識は受験界でも社会でも共通している。
第2位|早慶上理(早稲田・慶應・上智・東京理科大)|偏差値62〜72
早慶に上智大学と東京理科大学を加えた難関私大トップ群だ。上智大学は外国語教育・国際性で高い評価を受け、東京理科大学は理系の名門として知られる。「早慶には届かないが私立最上位を目指したい」という受験生の目標になる。
第3位|SMART(上智・明治・青山学院・立教・東京理科大)|偏差値60〜67
比較的新しい大学群で、早慶上理とMARCHの間のレベルを表す。従来のMARCHから中央大学と法政大学を外し、上智大学と東京理科大学を加えた構成だ。偏差値が近い大学同士をグループ化したもので、受験生の志望校選びに影響を与えている。
第4位|MARCH / GMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政+学習院)|偏差値57〜65
関東の難関私大として最も有名な大学群だ。就職活動では「MARCH以上」が一つの基準として使われることも多い。学習院大学を加えて「GMARCH」と呼ばれる場合もある。
MARCH内でも難易度に差があり、近年は明治大学・青山学院大学・立教大学が上位、中央大学・法政大学がやや下に位置する傾向がある。
第5位|成成明学獨國武(成蹊・成城・明治学院・獨協・國學院・武蔵)|偏差値55〜60
MARCHと日東駒専の間に位置する中堅上位の大学群だ。「MARCHには少し届かないが日東駒専よりは上を目指したい」という受験生の併願先として選ばれることが多い。各大学にそれぞれの特色があり、學習内容や就職先にも個性がある。
第6位|日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学)|偏差値50〜57
関東の中堅私大の代表格だ。受験者数が非常に多く、毎年多くの受験生がMARCHの併願先として受験する。近年は東洋大学の人気が上昇しており、日東駒専内での序列にも変化が見られる。
第7位|大東亜帝国(大東文化・東海・亜細亜・帝京・国士舘)|偏差値45〜55
日東駒専の1ランク下に位置する大学群だ。日東駒専の併願先・安全校として選ばれることが多い。各大学にはスポーツ・国際交流・医療系など独自の強みがあり、大学群のイメージだけでなく各大学の特色を調べることが重要だ。
私立大学の大学群ランキング【関西編】

第1位|関関同立(関西学院・関西・同志社・立命館)|偏差値57〜65
関西の最難関私大4校で構成される大学群だ。MARCHと同程度の難易度とされている。関関同立の中では同志社大学が最上位に位置し、関西大学がやや下に位置する傾向がある。関西圏での就職には非常に強い大学群だ。
第2位|産近甲龍(京都産業・近畿・甲南・龍谷)|偏差値50〜57
関西の中堅私大で構成される大学群で、日東駒専と同程度の難易度とされている。近年は近畿大学の人気が急上昇しており、産近甲龍の中で頭一つ抜けた存在になっている。関関同立の併願先として多くの受験生が受験する。
第3位|摂神追桃(摂南・神戸学院・追手門学院・桃山学院)|偏差値45〜53
大東亜帝国と同程度の難易度とされる関西の大学群だ。産近甲龍の併願先として選ばれることが多い。各大学には地域密着型の教育プログラムや資格取得支援など独自の強みがある。
地方の大学群ランキング【東海・中部・九州】
愛愛名中(愛知大学・愛知学院大学・名城大学・中京大学)
愛知県内の私立大学をまとめた大学群だ。県内での知名度が高く、地元企業への就職に強い。日東駒専・産近甲龍と同程度の難易度とされている。
名名中日(名古屋学院・名古屋学芸・中部・日本福祉)
東海地方で愛愛名中の1ランク下に位置する大学群だ。大東亜帝国と同程度の難易度とされている。
外外経工佛(京都外国語・関西外国語・大阪経済・大阪工業・佛教)
関西の中堅私大で、外国語系・経済系・工業系・仏教系の各大学で構成される。産近甲龍の併願先として選ばれることが多い。
その他の地方大学群
- 文東立松(文教・東京経済・立正・二松学舎):日東駒専の1ランク下・大東亜帝国と同程度
- 関東上流江戸桜(関東学園・上武・流通経済・江戸川・桜美林):関東の中堅私大群
大学群ランキングの最新トレンド|MARCHからSMARTへ
従来のMARCHに代わりSMARTが注目されている
近年、従来の「MARCH」に代わって「SMART(上智・明治・青山学院・立教・東京理科大)」という新しい大学群が注目されている。SMARTは偏差値が近い大学同士をより正確にグループ化したもので、受験情報メディアを中心に使われ始めている。
SMARTが生まれた背景
従来のMARCHは5大学を一括りにしていたが、実際には明治大学・青山学院大学・立教大学と、中央大学・法政大学の間に偏差値の差がある。より偏差値の近い大学同士をグループ化するために、上智大学と東京理科大学を加え、中央大学と法政大学を外したのがSMARTだ。
中央大学と法政大学がSMARTから外れた理由
中央大学と法政大学がSMARTから外れた理由は、偏差値のわずかな差だ。ただしこれは大学全体の平均的な傾向であり、学部によっては中央大学の法学部のようにSMART上位と同等の偏差値を持つ学部もある。大学群の分類だけで大学の価値を判断しないことが重要だ。
東京工業大学と東京医科歯科大学の統合→「東京一科」への変化
2024年に東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して東京科学大学が誕生した。これにより「東京一工(東京大学・京都大学・一橋大学・東京工業大学)」という呼称が「東京一科」に変わる可能性がある。ただし社会的に定着するにはまだ時間がかかる見込みだ。
大学群ランキングを活用した志望校の選び方
まず自分の現在の偏差値を把握して該当する大学群を確認する
模試の結果をもとに自分の現在の偏差値を確認し、その偏差値が該当する大学群を把握する。「今の自分はどのレベルにいるのか」を客観的に知ることが、現実的な志望校選びの出発点だ。
第一志望は1〜2ランク上の大学群を目指す
受験勉強による偏差値の伸びを考慮して、現在の偏差値から1〜2ランク上の大学群を第一志望に設定するのが一般的だ。現在の偏差値が日東駒専レベルなら、第一志望をMARCHに設定して1年間の受験勉強で到達を目指す——このくらいの目標設定が現実的かつ挑戦的だ。
併願校は1ランク下の大学群から選ぶ
併願校の選定では「挑戦校・実力相応校・安全校」をバランスよく組み合わせることが重要だ。
- 挑戦校:第一志望の大学群(1〜2ランク上)
- 実力相応校:現在の偏差値に対応する大学群
- 安全校:1ランク下の大学群
例えばMARCH志望なら、挑戦校にMARCH上位学部、実力相応校にMARCH中位〜成成明学獨國武、安全校に日東駒専——という組み合わせが考えられる。
大学群だけで判断しない|学部・立地・就職実績・学費も総合的に考慮する
大学群のランキングは「全体の位置づけ」を把握するツールとしては有効だが、最終的な志望校選びは以下の要素も総合的に考慮する必要がある。
- 学部の内容・カリキュラム(自分が学びたいことが学べるか)
- キャンパスの立地(通学の利便性・都心か郊外か)
- 就職実績(志望する業界への就職実績があるか)
- 学費(4年間の総費用)
- 大学の雰囲気・文化(オープンキャンパスで確認する)
大学群のラベルよりも「その大学で何が学べて、卒業後にどんな道が開けるか」を重視して判断することが、後悔しない志望校選びの鍵だ。
まとめ|大学群ランキング一覧と志望校選びのポイント
日本の大学群の全体像を最後に整理する。
- 国公立の最高峰:東京一工(東京大学・京都大学・一橋大学・東京工業大学)→旧帝大→金岡千広→5Sの序列
- 私立の最高峰:早慶→早慶上理→SMART→MARCH→成成明学獨國武→日東駒専→大東亜帝国の序列
- 関西:関関同立→産近甲龍→摂神追桃の序列
- 最新トレンド:MARCHからSMARTへの移行が進行中。東京科学大学の誕生で「東京一工」から「東京一科」への変化も
大学群のランキングはあくまで目安だ。同じ大学群内でも大学間・学部間で偏差値は大きく異なる。最終的な志望校選びは大学群のラベルではなく、「自分が何を学びたいか」「どんな環境で4年間を過ごしたいか」を軸に判断してほしい。
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