- 『名問の森』の難易度・対象者レベル
- 『名問の森』の使い方・勉強法
- 『重要問題集』との比較
あなたが『名問の森』を使うべきかどうか、そして「どう使うべきか」が分かります。
『名問の森』の到達レベル:~東大
巷にある問題集の中では、トップレベルに難しいです。
これより難しい問題集としては、「難系」があります。
「難系」は東大医学部の友人が、「難しすぎる」と言っているくらいなので、普通の人は辞めておいたほうがいい。
それに対し、『名問の森』は多くの難関大受験生に大人気の本です。
「趣味レベル」ではなく、「実際に出題されるレベル」の、手応えのある難易度です。
【旧帝大・一橋・東工大】などの難関国公立や、【早慶上智】などの難関私立が対象となります。
東大・京大も目指せます。あとは医学部志望ですね。
『名問の森』は難しい、と言いましたが、これらの大学では「標準問題レベル」です。
逆に中堅大学を志望する人は、購入を控えた方がよい。
MARCH志望を対象者に含めているサイトもありましたが・・ 大嘘です。
絶対に買わないでください。
MARCH・中堅国公立なら、『良問の風』がちょうど良いです。
また、すでに1度は物理を勉強している人が、対象です。(あくまで「問題集」です)
基本問題は、解けることが前提となっています。
ここまで読んで、「まだ名問の森は、厳しいかも・・」と思った人は、
まず『物理のエッセンス』と『良問の風』で勉強することを進めます。
2つの参考書については、↓記事で解説しています。
『名問の森』の特徴
名問ぞろい。このまま入試で出る
「名問」だけを集めています。
解いて意味のある問題、大きな学びを得られる問題ばかりです。
【名問】の【森】とはよく言ったもの。タイトル通りの本といえます。
入試では、『名問の森』のまま出ます。
面白いほど、そのまま出題されますよ。
『名問の森』さえやっとけば、難関大の「標準問題」はすべて、「見たことのある問題」となります(笑)
この参考書のスゴさが分かるでしょう。
ちなみに「名門の森」は間違いです。【名門の森】ではなく、【名問の森】です。
記事のタイトルに「名門の森」を使っている場合、執筆者がほんとうは使用していない可能性も高いので、注意してください。
丁寧な解説&エッセンスへの参照
「分かりやすい」と、子供っぽい説明しか出来ないのが、残念ですが・・
これは使ってもらうのが早い。ぜひ丁寧な解説に、感動してください。
図解が多く、イメージがしやすい。
また「○○の公式より」と、(クドいほど)必ず書かれています。そのため迷子になる事が、ありません。
また、『物理のエッセンス』への参照があります。
(→p.○○)といった具合に、ページ数まで書かれています。
『物理のエッセンス』で勉強してた人も、多いでしょう。嬉しい仕様ですね。
※基本事項はできる限り、『名問の森』の解説の中で、説明されています。エッセンスを敢えて買う必要はありません。
『重要問題集』と比較する
よく引き合いに出されるのが『重要問題集』。
レベル・対象者・知名度、どれも似ています。
2つを比較してみましょう。
※『重要問題集』は、毎年改定されます。買うのであれば、必ず最新版にしてください。また以下、「重問」と略します。
『重要問題集』の特徴
- 学校で配られることが多い
- 文字が「異常に」小さい
- 解説がアッサリしている
数研が出版しているから? なぜか高校では、よく配布されます。
解説は「雑というほどでもない」ですが、アッサリしている印象です。『名問の森』が最高に分かりやすいだけで、雑ではないです。
ただ「文字が小さい」。こんな小さな文字、始めてみましたよ(笑)
見ただけで嫌気がさす人も、多いかと思います。(化学の重問より、ずっと小さかったと思います。)
読者のことを考えていない、印象を受けますね。
レベル・問題数・クオリティ
レベルでいうと・・
名問の森 > 重要問題集 です。
中堅国公立・MARCH志望生でも、『重要問題集』なら手がだせるレベル。
ただし、かなり難しい方です。中堅大の志望生には、重問はちょっと厳しいかも。
ただ重問の中でも、レベル分けがされています。(A問題・B問題・<必解>など。)工夫すれば、使えます。
※とはいえ、中堅大なら『良問の風』がベターかと思います。
問題数でいうと・・
名問の森 =< 重要問題集
重問は毎年改定されるので、正確な問題数はいえません。
だいたいで言うと、名問の森(140)で、重問(160)
あまり変わりません。
クオリティでいうと・・
名問の森 >> 重要問題集
問題数はさほど違いませんが、名問の森は2冊に分かれています。その分、解説はずっと詳しく・分かりやすくなっています。
解説の質だけでなく、問題の質も、名問の森の方がずっと上です。
繰り返しますが、入試では、このまま出題されます。
重要問題集と、どっちがオススメ?
『名問の森』は、よく『重要問題集』と比較されます。
1番の違いは、問題のクオリティです。
『名問の森』の方が、圧倒的にクオリティが高いと思います。
僕自身は、始めは重問をやっていましたが、10~20問くらいで『名問の森』に乗り換えました。
解説が分かりにくいし、問題の選定にも、疑問があったからです。
結果は、大正解でした。『名問の森』の方が、あらゆる点で優れていると思います。
問題集で大切なのは、クオリティです。
『名問の森』は、感心するほど、よく厳選されています。
それに対し、「重問」は「なんとなく、選んだ」感じが否めません。
忙しい受験生。
無駄は極限まで、省くべきです。
得点に直結する問題だけ、やりましょう。
『名問の森』+過去問が、1番効率がよいですよ。
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また『名問の森』は『物理のエッセンス』と同じ著者であり、解説中に「エッセンスへの参照」があります。
エッセンスとの親和性が高いのです。
エッセンスで勉強した人は、『名問の森』一択です。
『名問の森』の使い方&勉強法
いつから始めるべき?
難関大・医学部を目指すなら、できれば高2が良いです。
僕の高校でも、早い人は高校2年生から始めていました。
高3は過去問をやるので、問題集は早めに終わらせた方が良いです。
最低限やるべき問題については、目次の番号が色付けされています。量は、全体の半分くらいです。
高校2年生・時間がない高校3年生は、最低限の問題だけ、やれば良いです。
難関大・医学部を志望するなら、「最終的には」すべての問題をやった方がいい。
でも「中途半端になるリスク」を考えれば、まずは色付けされている問題だけを、やりましょう。
※時間配分にも気をつけてください。英語や数学との兼ね合いで考えましょう。
また、小問ごとに「(1)★★ (2)★」のようにレベル分けされています。
また、解説の後に「Q」でハイレベル問題が、加えられていることも。
「黒星★★」や、「解説の後のQ」はかなり難しいので、やらなくてもOKです。
入試では、難しい問題は、たいてい最後に来る or 飛ばしても問題ない構成になっています。
解けなくとも、入試に通ります。
ただし、「背伸びしすぎ」には注意。
高2から始めるべき、と言いましたが、レベルは相当高い人に限られます。
旧帝大以上を、志望している高2のみです。
それ以外の人は、高2では『良問の風』をやりましょう。
じっくり考える ⇒ 「本当に分かっているか?」自問
1周目は、じっくり考えましょう。
分からなくても、10分くらいは頑張って考えるのが大切です。スグに答えを見ていては、思考力がみにつきません。ある程度考えなければ、「何が分かっていないのか」も分かりません。
最終的には、「パッと解法が思いつく」ことが理想です。
でも「解法を暗記する」のではなく、「理解する」姿勢でいましょう。でないと難関大の問題には、歯が立ちません。
そして解説を、じっくり読み込んでください。
「行間を読む」感覚です。
解説を読むと、どうしても「分かった気」にはなります。
そこで安心せず、「本当に分かっているか?」と自問してください。
「もう1度、自力で解けるか?」と考えましょう。「自力では厳しそう」なら、それは分かっていない可能性があります。
数式を追うだけでなく、裏側にある「発想」や「着眼点」に目を向けるのです。
それを理解して初めて、自力で解けるようになります。
3回は復習する
間違えた問題だけでも良いので、3回は繰り返しましょう。
物理に限った話ではありませんが、「間違えた問題は、もう1度解き直す」姿勢が大切。
3回目でも間違えたら、4回目も解きましょう。4回目も間違えたら、5回目も解きます。
数を重ねるごとに間違えた問題は減っていくので、どんどん楽になっていきます。
とはいえ難しい問題なので、最初は「間違いばかり」です。
ほとんどの問題は、2回以上解くことになるでしょう。
難しくてもへこまない
最高レベルに難しい、問題集です。
「難関大・医学部の志望者は、高2から始めよ」とは言いましたが。
最初は「間違いばかり」だと思います。
そこでモチベーションを落とさないように、気を付けてください。
「この問題集に手を出せる」時点で、あなたのレベルは相当に高いのです。
「自分はダメだ・・」と思わないでほしいです。
まとめ:『名問の森』の評価は★9
『名問の森』の評価は、★9/10とします。
★を1つ減らした理由は、2冊に分かれていること。
そしてなぜか、波動が2冊にまたがっていることです。分割のセンスが無いので、★1つ減らします(笑)
最後に、『名問の森』の特徴を、表にまとめておきます。
著者 | 浜島 清利 さん。『物理のエッセンス』&『良問の風』と同じ著者。 |
---|---|
出版社 | 大手予備校「河合塾」 |
レベル・対象者 | 巷の参考書の中では、トップレベルに難しい。対象は、難関大学・医学部を志望する人。MARCH以下は、『良問の風』が無難。 |
いつから? | ↑の対象者なら、高2からがベター。 |
特徴① | 名問ぞろい。入試では、このまま出題される。 |
特徴② | 解説がトップレベルに分かりやすい |
特徴③ | 『物理のエッセンス』との相性が良い |
使い方① | 1.できれば高2から始めるのが理想。 2 . まずは「目次で色付けされている」問題から始める。これをやるだけでも、効果は十分に高い。 |
使い方② | 1.じっくり考える。2.解説を理解する(「なんとなく分かった」ではダメ) |
使い方③ | 何度もくりかえす。1周では身に付かない。 |
注意点 | 難しくても、へこまない。自分を責めない。この問題集をやっている時点で、あなたはスゴイです。 |
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こちらの記事も参考にしてください。
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