今回は受験生におすすめの単語帳『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』を紹介します。
見ての通り、ボロボロになるまで使い倒しました。
表面はラミネートで補強しています(笑)
大学生になった今でも、この単語帳は処分せずに、手元に残しているほどのお気に入り。
『鉄壁』があらゆる参考書の中で一番好きな本でしたね。
中学3年生のころから使っています。
僕は英語が得意科目でした。1番の要因は、間違いなく「英単語」です。
みんな『ターゲット』とか『シス単』とかで勉強しますが・・ 僕は『鉄壁』が最強かなぁと感じます。
単語帳選びは、めちゃくちゃ重要ですよ~
※シス単も、ターゲットも悪くはないです。むしろ『鉄壁』は人を選ぶと思います(汗)
『鉄壁』は偏差値65の大学に通うTOEIC920の僕が、自信を持ってオススメする1冊です。
『鉄壁』とは?
鉄禄会がつくる「東大」向け単語帳
出版は、東大対策で有名な塾「鉄禄会」です。
鉄緑会は、中高6年一貫校の生徒を対象とした、東京大学受験指導専門塾です。
ちなみに「東大」とありますが、関係ありません(笑)すべての方にオススメです。社会人にも勧めたいです。
ただタイトルに「東大」とあるだけあって、単語帳のレベルは高めです。それでも「重要度を示すマーク」が単語の横についているので、「つまみぐい」はしやすい構造になっています。レベルが高すぎると感じるなら、まずは重要度の高いものから覚えると良いです。
到達レベルは?
到達レベルは「東大」です。東大受験生から、圧倒的な人気を誇る単語帳でもあります。
ちなみに東大理Ⅲに受かった友人も、『鉄壁』をメインに使っていました。難関大生の僕も不合格ではありましたが、東大を受験していますし、TOEIC920点の実績もあります。
「難関大生からの評価が高い」と考えてください。
いつからやるべき?
僕は中学3年生から使っていました。早ければ早いほどよいです。
単語数・レベルが高いため、その他の単語帳に浮気する余裕は無いからです。
単語帳マニアの僕は他にも、ターゲットやユメタンなど、たくさん購入しましたが、結局は『鉄壁』が最強でした。
これから受験する後輩たちには、ぜひ浮気せず、『鉄壁』だけに注力してほしいです。
『鉄壁』の良いところ
1つの単語を、掘り下げている
ターゲットやDUOのような単語帳では、1つの単語に対して1つの意味しか覚えることができません。
一般的な単語帳にも、たしかに複数の意味は書かれています(少ないですが)。
ただし・・
・1つの意味だけが太字になっている
・工夫が無い。ただ羅列しているだけ。
といった事情から、複数の意味を覚えるのに、適していないのです。
効率はよく、たくさんの英単語を覚えた気にはなれます。
ただ質が低いのです。
ここで質問。
あなたは「 figure 」という英単語の意味を、いくつ覚えていますか?
*
*
*
figure は代表的な多義語です。
名詞で①姿/形 ②人物 ③数字 ④図 (まれ: ⑤桁 cf.digit)
他動詞で、「考える」という意味もあります。
「figure out」で「理解する」という意味になり、これは頻出です。
英単語は「単語の量」も大事ですが、「質」も大事です。
ところが「質」をおろそかにする人が多いです。
「単語が苦手・・」と言う人を見ていると、とにかく「単語量」を覚えようとしている印象を受けます。
「 figure の意味は?」と尋ねると、「姿」としか答えられないのです。
昔の私大の問題では、専門用語も多くでてきます。
ところが最近は、世の中の流れが「お勉強の英語 ⇒ 実用的な英語」となっています。
そのため、めったに使われないような英単語は姿を消しつつあり、「質」の重要性が高まっています。
「単語量」はそれほど重視しなくてもOK
新しい英単語を覚えるより、すでに覚えている単語の、別の意味を覚える。行き詰っている人に必要なのは、こっちかもしれません。
日本語は英語よりも単語数が多いため、どうしても英単語1つに複数の意味が対応します。
広辞苑と、和訳辞典を見比べれば、一目瞭然です。和訳辞典の方が、項目が多いですよね。
日本語の単語数 > 英語の単語数
英単語1つに、複数の日本語訳が対応することになるのです。
(もちろん言語が異なるので、ニュアンスも異なります。)
複数の意味を覚えるのは、当然なのですが・・
なぜかやらない人が多い。
1つの意味しか覚えていないと、逆に「足枷」になることもあります。
「figureの意味は姿のはず」と、固執してしまい、英文の意味が余計に分からなくなる。
・・心当たりがあるのでは?
語法・熟語が多い
語法も覚えていないと、英文解釈に影響を及ぼすこともあります。
英文解釈の問題では、「語法」に注目した問題も多いです。
強調構文・仮定法・名詞構文・・etc.
これら文法事項は、みんなしっかりと勉強します。
ですから「差がつきにくい」のです。
一方、語法はチェックしている人が少ないんですね。差がつきます。
例えば「add」の「add A to B」という語法です。
意味は「A を B に加える」
「to は方向を表す、前置詞でしょ。構文なんて覚えなくても、その場で意味は分かるよ」
そう侮るなかれ。
toがただの前置詞ではなく、addに対応するものであると感じるためには、この語法を知っていなくてはなりません。
2次試験での頻出パターンが↓
add ~~~(めっちゃ長い)~~~ to B
この(めっちゃ長い)の部分でたくさんの節や前置詞が出てくるため、最後の「to」が迷子になるのです。
いやらしい文では、(めっちゃ長い)の中に「to」が1~2個含まれていたりします。
このパターンで迷子にならないためには
① add が toとセットで使われることを知っている
②add を見た時点で、頭のどこかで「何に加えるのか」つまり「to」を探しながら読んでいる
「add A to B」にかぎらず、語法ではこの2つが大切です。
「語法=動詞+前置詞のセット」だと思えばいいです。(少し強引ですが)
無意識にできるレベルまで、落とし込みましょう。
そのためには、add という英単語を覚える際に、語法も意識しておくことが大切なのです。
意識していなければ、この手の問題は、絶対に解けませんよ。
以上のように、英文解釈では語法・熟語も大切です。
「記憶量、やばそう」って思いましたよね。
安心してください。それほど難しいものは出題されません。出題されたとしても、みんな出来ません(笑)
「add」のように、よく出てくる英単語の語法を、ちょっと意識するだけでOKです。
話をまとめると・・
・「量」より「質」が大切
・複数の意味を覚えないと、役に立たない
・語法/熟語もセットで覚えよう
これらの要素を兼ね備えた単語帳は、僕が知る限り『鉄壁』だけですね。
『鉄壁』なら語法・類語・複数の意味を一度に覚えることができます。
それを可能にするために『鉄壁』にはたくさんの仕掛けがあるのです。
語源から覚えられる
工夫の1つが語源から覚えさせるという工夫です。
これはかなり使える技で、新しい単語に出会ったときも、接頭語・語幹から意味を類推することができます。
例えば、「vit/viv」には生命という意味があります。
そこから、「vital」は「生命の」という意味に。
名詞の「vitality」はヴァイタリティ(活力)と、日本語にもなっています。
「vivid」は「生き生きとした」という意味になります。ビビッドカラーっていいますよね。生き生きとした、鮮やかな色という意味。
「re-」は「再び」という意味の接頭語。「repeat」や「replay」など様々な単語の前につきますよね。
そこで「re-」(再び)+「viv」(生命)で「revive」。生き返る・生き返らせるという意味に。
ゲームやアニメに出てくるリバイアサンっていう怪物がいますよね。何度も生き返る怪物です。
ちなみにビタミンCの「ビタミン」は英語で「vitamin」
ここにも「vit」の文字が。ビタミンは生命にかかわる栄養素と覚えましょう。
どうですか?
1つの「vit/viv」(生命)という語幹から、様々な単語を覚えることができます。
上で挙げた単語を、それぞれ個別に覚えることを想像してみてください。骨が折れますよね。
関連付けて覚えることで、ずっと楽になるのです。
そして1つの英単語に対して複数の意味を覚える際にも、役立ちます。
その英単語に対する、全体的なイメージがあるためです。
複数の意味を個別に覚えているというより、まとめて覚えているような感覚ですね。
さらに新しく見た単語の意味を類推できてしまう、というのが強力。
形容詞「viacious」の意味を考えてみてください。
意味は「活発な」です。マイナーな単語なので、覚える必要はありません。
でもなんとなく、イメージは分かったのではないでしょうか?
前後の文脈も合わされば、それほど苦労しないはず。
もう1つ、動詞「revitalize」の意味を考えてください。
re- は「再び」でしたよね。
意味は、「再興する、再び活性化させる」です。
revitalize Japan’s economy で、「日本経済を、再興する」となります。
(ちなみに、TOEICでよく出る単語です)
イラストで覚えられる
鉄壁の2つめの工夫が、イラストから覚えるというものです。
多くのシンプルなイラストがちりばめられています。
イメージから覚えることができるので、とにかく「楽」です。
『鉄壁』を1年も使っていれば、暗記しようとしなくとも、覚えられるのではないでしょうか。
「白い紙に、単語を書き殴る」式のお勉強とは、さよならしましょう。
スペルを覚えるのには良いですけどね(笑)
『鉄壁』のデメリット
単語数が多い
『鉄壁』のデメリットはほとんどありません。
しいて言うなら、単語量が多いことでしょうか。
「質」も高いのですが、「量」も多いのです。
ただし「語源から覚える」などの工夫がされているため、見た目よりも多く感じないと思います。
また『鉄壁』は、入試での出現率順にならんでいるわけではありません。
そのため「試験前に最低限の英単語を詰め込みたい!」という人にはオススメしません。
じっくりと腰を据えて勉強する気のある、受験生にオススメします。
CDが使いづらい
またCDが別売りになっていますが、このCDが使いづらい。
CDはオススメしません。
ネット上のレビューも、最悪ですね・・ (CDさえ良ければ、文句のつけようがない単語帳だったのですが)
僕も持っていましたが、ほとんど使わずにブックオフで売りました。
『鉄壁』のおすすめの使い方
使い方としては、パラパラとめくっているだけでも、頭に入ってきます。
コツは何度も何度もくりかえし見ること。
『「暗記」する勉強に意味はない。無駄である。』という記事を書きましたが、英単語も自然と頭に入るのがベスト。
オススメとしては・・
・最重要(*2つ)はしっかり覚える
・その他は、目を通すだけ
が、現実的だと思います。
英単語を得意にしたい方は、*1つも完璧にしましょう。
辞書として使う
また非常に網羅性が高いため、辞書としても使うことをオススメします
「紙の辞書を持て!」という英語教師も多いですよね。
たしかに紙の辞書の方が頭に入るとは思いますが、毎日重い辞書を持ち歩くのは大変。
代わりにこの単語帳を持ち歩くことをおすすめします。
単語帳に載っていない単語は、余白に書き込みましょう。
それだけでなく、気付いたことや語法なども、どんどん書き込むのが良い。
書き込むことで、記憶が定着します。
各SECTIONにある「Review Test」を行う
各セクション末にあるレビューテストがかなり優秀。
相当考えて作られています。
この単語帳を使い始めたときは、このテストをほとんどやっていませんでした。
もったいなかったなぁと思います。
単語の書き取りをするよりも、このテストを何度も行うのがオススメです。
「検索学習」といって、僕らの記憶はアウトプット時に定着しやすいです。
「ん~~ どういう意味だったかな?」と悩んでいるときこそ、記憶が定着しているときなのです。
付属の赤シートを使って、「検索学習」するのは、もちろんオススメです。
ですが、この「Review Test」も忘れないようにしていただきたい。
より実践的なアウトプットになりますよ。
今回は以上となります。
「東大」という文字があってビビってしまうかもしれませんが、すべての方にオススメできる単語帳です。
重要度が*で示されているので、ご自身のレベルに応じて、覚えてください。
ただもう1度言いますが、「受験まであと半年」という方にはオススメしません。今使っている単語帳を、やり抜きましょう。
『鉄壁』は焦らずに時間をかけて、ゆっくりと覚えてください。
僕は中学3年生のころから使っていました。
早ければ早いほど、良いと思います。
関連:【英単語ターゲット1900】のレベルと使い方は?TOEICに使える?
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