みなさん、「なんとなく」式変形をしていませんか?
式変形をするときに、「目的」はありますか?
数学が苦手な人は、「なんとなく」解いている気がします。
「目的」が無いのです。
もちろん、下書きとして「とりあえず、やってみる」のは悪いことではありません。
ですが解答の方針が無いまま、当てもなく解いても、答えには辿りつきません。
通用するのは基本問題まで。ここに「中級者への壁」があるように思います。
この記事の対象者は「中級者」です。
難関大を目指す方には、「そんなん、当たり前」と言われるでしょう。
逆に、初学者の方には、「何言ってるかよく分らない」となるかもしれません。
そのくらいのレベル感です。
数学|問題の解き方(基本)
条件はすべて使う
有名な受験テクニックです。
問題文に与えられた条件は、すべて使います。
条件を使わない問題は、問題として微妙ですよね。
不要な条件を問題文につめこんで、ただ煩雑にすることで難しく見せる問題は、美しくないです。
大学側は、そんなブサイクな問題を、絶対に出題しません。万が一そんな大学があれば、進学する必要はありません(笑)
よく知られた、代表的な受験テクニックなのですが、思い返せば誰にも教わらなかった気がします。
当たり前すぎるのでしょうかね。
問題の解答方針を立てるときに、「すべての条件を使っているか?」よく確認してください。
たとえば問題文にある不等式を1つ使っておらず、変数の範囲を考慮していない可能性があります。途中で気づいても、大幅に書き換えなければならないかもしれません。
慣れるまでは、意外にうっかり忘れやすいので注意してください。「条件を使っているか」意識する癖をつけましょう。
ゴールから、逆算する。
証明問題などで、使いやすいテクニックです。
問題文 ⇒ 解答 と進む必要はありません。
証明問題では、「ゴール」が分かっている状態です。問われているのは、その過程です。
つまり
「問題文 ⇒ ”過程” ⇐ ゴール」
です。(矢印の向きに注目してください)
問題文とゴールの、【両側から】証明過程を、導出するイメージです。
真面目な人ほど、バカ正直に一方向から解こうとするので、思い当たる人はご注意を。
いきなり解答を書き始めない
解答を書き始めるのは、解答の方針を立ててからにしましょう。
完璧でなくてかまいません。大雑把でいいですし、清書する過程で細かい方針は変更してもOKです。
いきなり解答を書き始める人がいるようですが、絶対にやめましょう。
解答用紙上に書いたり、消したりするのは大幅な時間ロス。用紙も汚くなります。
さらに言えば、試験時においては、「解くか、部分点狙いか、捨てるか」の判断も大事になってきます。
いきなり解き始めるのは、その判断もしないということ。試験的にも有効ではありません。
まず簡単な方針を立てて、場合によっては少し計算もしてみましょう。
最初は「いつ本格的に解き始めるか」が難しいです。
しかし普段から問題集を解くときに訓練していれば、少しづつ感覚が分かってきます。
数学|式変形のコツ
同値変形に気を付ける
同値が崩れていないか、よく気をつける必要があります。
同値とは、必要十分という意味です。
「式変形の前後で、必要十分がなりたつのか?」よく気をつけてください。
同値が崩れるタイミングは、たいてい2乗する時です。
なので2乗する時に特に注意を払っていれば、だいたい問題ないでしょう。
そもそも基礎が分かっていないと、「同値に気を付ける」の意味が分からないかもしれません。
解答の最後で、「十分性を確認する」意味が分からない、って方もいるでしょう。
その方は「式変形」について、よく勉強し直す必要がありますよ。今まで「何となく」しか式変形をしてこなかった人たちです。
そんな方は↓の勉強法を参考にしてください。「図形と方程式」「数A:論理と集合」の分野を勉強すると、理解が速いかと思います。
他にも「√Aの2乗 = |A| (絶対値がつきます)」など、基本的な式変形を、理解していない人は多いですね・・ 基礎なんですが。
関連 >>【センス不要】理系の数学におすすめの勉強法&参考書ルート【大学受験】
ちなみに、↑の記事で紹介している参考書が、『数学 軌跡・領域 分野別標準問題精講 』です。
他にも「かつ・または」にも注意してください。意外と、なんとなく解いている方も多い印象です。
数Aの「論理と集合」の分野は、初心者が苦手とします。しかしその割に、2次試験で直接的に聞かれる事が少ない分野です。
ですがめちゃくちゃ重要な分野。
あらゆる問題に関わってくることなので、お使いの参考書できちんと勉強しておいてください。(必要性・十分性は、何となく行っているその式変形に、関わっていますよ)
積極的に、置き換える。
置き換えると、超簡単になる問題があります。
「置き換え」がテーマになっている問題は多いですね。
logx を t 置き換える。 sinx を t に置き換える。
このくらいなら簡単に思い付きますが、逆は意外と難しかったりします。
例えば、簡単な例として、 y = x + √1-x^2 を簡単にしてください。
・・ x = cosΘ と置き換えれば、簡単ですよね。 y = sinΘ + cosΘ となり、合成すればOK よくある変形です。
このくらいなら簡単ですが、難しい問題では「どう置き換えるか」の、発想力を問われるのです。
こういう場合には与えられた変数の、範囲がヒントになっていることも。
例えば、1 < a < √3 となっていた場合。
a = tanθ などと置いて、三角関数の公式を使って式変形すとと、簡単に解けることも多いです。aの範囲がヒントになっているわけです。
式変形に詰まったなら、置き換えてみると、スルッと打開できることも。
「置き換えを考える」は習慣にすべきですよ。
対称性を利用する。
分かりやすい例で言うと、偶関数・奇関数です。
数三で、気づかずに増減表を書いた後、
「あっ。余分な手間をかけちまったぜ。」という経験は、あるあるのでしょう。
増減表の例に限らず、図形問題から離散数学まで、対称性は幅広く使えます。
「対称性」は手間を減らしてくれます。
受験でよくあるのが、「一見すると手間がかかりすぎて、現実的ではなさそうな解法」が思いついた場合です。
「これでは解けないなぁ~」と諦めかけますが、実は対称性を使うと、簡単に解けたりします。
「対称性」も、意識する習慣をつけるべきかと思います。
本記事は以上です。
よければ【センス不要】理系の数学におすすめの勉強法&参考書ルート【大学受験】も、参考にしてください!
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