今日も勉強、お疲れ様です。
さっそくですが、皆さんは数学に自信がありますか?
数学は理系の人でも、不安を抱きがちな科目だと思います。
一朝一夕には、上達が実感しにくいからです。
「こんな勉強で良いのだろうか」と不安になる気持ちは、よく分ります。
この記事が、悩める受験生の指針になれば幸いです。
この記事を読めば、以下が分かります。
- どの分野を、重点的に勉強すべきか
- 最低限の、参考書ルート
- 入試数学の実情
基礎的な参考書 ⇒ 分野別の参考書 の順番で紹介しています。
必要に応じて、目次から飛んでください。
数学の【勉強法】:『数学は暗記だ!』
良い意味で、タイトル詐欺の本です。
タイトルにある「暗記」と、本の内容が合っていないため、レビューが低いのでしょう。タイトルが残念ですね。
ただし内容はすごく良いです。「王道」の勉強法を紹介しています。
「自分の勉強法に、不安がある」方にオススメです。
数学が苦手な人や、「数学はセンス」だと思っている方は以下のような勘違いをしています。
・公式は覚えなくても良い
・できる人は、解法を1から考えている
公式を導けることや、解法の意味を理解していることは大切です。
でも「1から導く」必要はありません。
「確かこんな風に解いていたなぁ~」って感じで導出できればOK
先人が考えたことを、1人で全て導くことなんて不可能です。それが出来る人は、そもそも勉強する必要すらありませんからね(笑)
確かに数学には「センス」的な要素は多いでしょうが、「解き方の型・パターン」は存在します。
典型的な問題を、確実に取れれば、受験では問題ありません。大学側も、そこを問うています。「数学者」に試験を課しているわけではありませんよ。
もちろん、「ひらめき」を必要とする問題もあります。
ただそんな問題が解けなくても、合格点はとれます。そして他の受験生も解けていないので、気にする必要はありません。
さらに言えば、数学嫌いの人が「ひらめき」だと思っている解法にも、実は「発想の型」みたいなモノがあったりします。
それはたくさんの問題を解いていくうちに、徐々に身に付いていくものです。
さも才能があるかのように思えても、ただ努力してきた結果でしかありません。
本人も、「なぜできるのか」分かっていない場合も多いでしょう。
『数学は暗記だ!』は「なぜできるのか」を言語化した本です。
勉強法に悩んでいる人は、ぜひ『数学は暗記だ!』を手に取ってください。
すべてこの本の通りやる必要はないですが、多くのヒントは得られるかと思います。
ちなみに著者は東大医学部卒です。
数学の【総合】参考書
【青チャート】
みんな大好き『青チャート』
学校で配られた人も多いでしょう。『黄チャート』や『フォーカスゴールド』をお持ちの方は、それでOKです。わざわざ買いなおす必要はありません。
勉強法は、『数学は暗記だ!』をご覧ください。
本の中でも、『青チャート』の使用を勧めています。
難易度(コンパス)は1~5までありますが、5はやらなくて良いと思います。
初学者は1~3だけでも良いでしょう。
『青チャート』の難易度1~3の問題が解けない、ってのは結構ヤバイです。
基本的な問題になるので、以下で紹介する本に浮気する前に、『青チャート』を完璧にしてください。
『合格る計算』
計算力に自信が無い人にオススメしたいのが、『合格る計算』です。
『合格る』計算は、計算に特化した問題集です。
レベルとしては、チャート式と平行して取り組むのが良いでしょう。
>> 【合格る計算】上級者は買わないで!うかる計算は「いつ」やるべきか?
計算力の大切さは、後になって分かります。
入試では、計算ミス1つで合否が変わることに、気づくからです。
受験の数ヶ月前になってようやく、「もっと早く計算の練習をしておけばなぁ」と後悔することも。
一刻も早く、「計算力」の大切さに目を向けてください。計算を舐めてはいけません。
【問題集】1対1対応の数学
こちらも超有名な本です。
青チャートより少しレベルは上がります。青チャートの難易度3~4くらいの、レベル感ですね。
「青チャート ⇒ 1対1」と進むと良いと思います。
ただし数学に自信がある人で、学校などで基本を勉強している人ならば、いきなり1対1に進んでも良いと思います。
以上の『青チャート』と『1対1』が、すべての基礎となります。
さらっと紹介しましたが、基本すぎてセールスポイントが見つからない、ってことでもあります。
詳しい勉強法は、先ほど紹介した『数学は暗記だ!』を読んでください。
『数学の発想力が面白いほど身につく本』
この記事で1番教えたかった本が、『数学の発想力が面白いほど身につく本』です。
あまり知られていない、隠れた名著です。
黄色本なので、初心者向けに思われがち。黄色本でなければ、もっと世に広まっているかと思います。
・問題文の読み方・解答方針の立て方
・典型的な解法を、応用して使う方法
など、「発想力」に着目しています。
また「包絡線」など、他の参考書には載っていないけれど、知っていると便利な解き方も紹介されています。
痒い所に手が届く本ですね。
範囲は数IA/ⅡBなので、文系の方にもオススメできます。
レベルが高い部分もありますが、分かりやすく書かれているので気にならないでしょう。
できるだけ早い段階で、チャレンジしてほしいです。
「発想力」は、多くの受験生が望みながらも、言語化されない部分です。
参考書を作る側も、「問題⇒解説」をただ羅列する方が、楽ですらからね。発想力には言及しません。
ですが複数の分野にまたがって共通する、発想の「着眼点」のようなモノは、確かに存在しています。
『数学の発想力が面白いほど身につく本』は、「発想力」という受験生の潜在的ニーズを、的確に捉えた本ではないでしょうか。
僕が受験生のころなら、人に教えたくなかったですね。
~ここまでで、基礎は完璧です。
以下は、分野別の参考書をご紹介。
数学の【報われやすい分野】の参考書&問題集
対策をすることで、「報われやすい」分野を、ご紹介します。
数Ⅲの微積分
なぜ微積が良く出るか、というと「複合問題」にしやすいからです。
数学にはたくさんの分野がありますが、試験で出題できる問題には限りがあります。5~6問の出題が標準的ですね。
ところが大学側としては、様々な能力を1度に測りたいところ。
そこで1つの問題に、複数の分野を組み込んだ「複合問題」が出題されやすくなります。
その結果、出題される分野に偏りが生じます。「複合問題にしやすい分野」、言い換えると「出題されやすい分野」が存在するのです。
最たる例が、数Ⅲの微積です。
二次関数、三角関数、指数対数関数、数列、極限など。微積は他分野と組み合わせやすいのです。
(以上のような事情から、数Ⅱの微積はあまり出題されません。)
しかも勉強の成果が出やすい科目です。おそらく、1番報われやすいですね。
パターンは決まっていますから、後は計算力と、ちょっとした工夫だけです。
「出題されやすい」+「伸びやすい」ため、勉強のし過ぎはありません。時間が許すかぎり、勉強しましょう。
さらにいえば、理系で「微積が苦手」はありえません。
理系なら大学に入ってから、「全微分」「偏微分」「重積分」など更に難しいテーマへと進んでいくはずです。
長い目でみても、得意にしておくべき科目ですよ。
微積は『微積分 基礎の極意』を完璧にしてください。(数Ⅲの本です)
レベルは中級者以上です。青チャート or 1対1を終えた後に、チャレンジしてください。
薄い本ですが、手ごたえがあります。
関連 >>大学入試の微積を8割をカバー!『微積分 基礎の極意』の使い方とレベルをご紹介
軌跡・領域
軌跡・領域も、「同値変形」「必要性・十分性」など「式変形の能力」を問うことができるので、大学側は好みます。
「なんとなく、式変形している」学生も多いはず。
僕も最初、解説の最後の方に書いてある「十分性の確認」をする意味が分かりませんでしたね(笑)
特に”存在範囲”については、よく分っていない学生も多いですよね。(直線の通過領域や、「~~が存在する範囲を図示せよ」ってタイプの問題)
試験は「差をつける」ために存在しますから、「分かっている人には、分かっている」存在範囲などは出題されやすいです。
軌跡・領域は苦手な人も多く、差がつきやすい科目です。できれば個別に対策してほしいですね。
参考書は、「標準問題精巧」シリーズがおすすめ。
今まで何となくやっていた式変形を、きちんと理解して行うことができるようになります。
僕も受験生のころ、数学自体の能力が、ワンランク上がったことを感じました。
確率
東大・京大・阪大・・難関大学がこぞって出すのが確率です。
毎年のように出題されます。
「他分野との複合」はされにくいですが、「出題されやすい」分野です。
差がつきやすい単元です。得意・不得意、ハッキリ別れます。
不得意であれば、捨ててしまって、部分点だけとるのもアリだと思います。でも頻出なので、なかなか切れない分野ですよね。
僕は受験生時代、確率が1番得意でした。
その理由は『ハッとめざめる確率』で、勉強したからです。
~旧帝大レベルです。
超良書です。「志望校が、確率をよく出題する」なら、1度は手に取ってもらいたい。
問題が解けなくても、考え方だけは吸収できます。図解も多いので、解説を読めば意味は分かると思います。
特に「標本空間の取り方を変える」という発想がすばらしい。他の本には書かれていません。
この考え方は、ぜひ本を読んでみてください。
一見難しそうな問題が、この考え方1つで、簡単な問題へと変わる様は爽快です。
また「差を考えて視覚化する」発想も、他の本ではフォーカスされていないと思います。(”格子状の道”を進む、場合の数を求めさせる問題がありますよね。あれの応用?です。)
個人的に好きな発想でして、受験生時代には乱用していました(笑)
「くじ引きの極意」もシンプルですが、面白い発想です。「世間一般」の解答が、バカらしくなります。
個人的には数学の中で一番好きな参考書なので、押しが強めです。
詳細 >> 数学|『ハッとめざめる確率』のレベルと使い方は?『合格る確率』とどちらがオススメ?
整数
整数問題も、差がつきやすく、難関大がよく出題します。
ただ確率と違って、「報われやすくは無い」ように思います。
そのため、どこまで対策するかは、よく考えましょう。
1冊目の参考書は、『2週間で完成!整数問題』をオススメします。
2週間で完成するので、サクッと終わらせましょう。
『1対1』の整数問題を飛ばして、コレに置き換えても良いと思います。
レベル感は、初級~中級です。
ハイレベルな参考書としては、『マスターオブ整数』が有名です。
が、僕自身はやっていないので、紹介だけに留めておきます。
個別の参考書は、必要ないかも・・?
以下は「個別の対策をしなくても良い」と考える分野を、ご紹介します。
注意してほしいのは、「やらなくても良い」「捨てて良い」わけではありません。
青チャートや1対1で、基本は完璧にしてください。
数列
“数列だけ”の問題は、出にくいです。
確率と絡む問題が多いですね。
これは先程紹介した、『ハッと目覚める確率』をやればOKです。
差がつくのは、「確率」であって「漸化式」ではありません。「漸化式は解けて当たり前」なので、差はつきません。
他にも「積分漸化式」や「数列の極限」など、問題の途中、あるいは複合的に出題されることは多いです。
ただしメインテーマは、数列では無いのです。
あまり出題されない理由は、数ⅡBの”数列だけ”で難しい問題を作りにくいからでしょう。
唯一の例外は、群数列ですかね。(あまり出題されませんが)
が、これは一度慣れてしまえば難しいものではありません。
人によっては慣れるまでが大変かもしれませんけどね。
1対1や青チャートに載っているはずなので、それで十分です。
指数・対数、三角関数
指数・対数だけの問題は出ません。というか出しようがありません。
唯一、「指数関数の発散スピードってすごいよね〜」的な確認問題があるだけです。(決して難しい問題ではありません)
チャートや1対1に載っている分だけで十分ですよ。
三角関数も同様で、たいてい微積などと融合で出題されます。
やはり”三角関数だけ”の問題は、めずらしいですね。
数Aの幾何
1番報われにくいのは、数Aの幾何です。
これだけの問題はあまり出題されません。出たとしても、かな〜り難しくなります。報われにくいですね。
数学の分野の中でも、図形問題は、センスが出やすい方です。
得意な方は、おそらく中学から図形が得意なはず。
そして大学側としては、ベクトルや積分を出題したいのでしょう。
数Aの幾何は、問題の「一部」で使われたり、「別解」で紹介されていることの方が多いですね。
苦手な方でも、それほど悲観する必要はありません。基本問題ができれば十分です。
図形問題は↓の4つに分類できます。
①数A幾何
②式計算で解く(図形と方程式、x-y平面に落とし込む、など)
③ベクトル
④複素数平面
問題集を解いていると、図形問題は「別解」が多いことに気付くと思います。解法の選択肢が多いのです。
中学生とは違い、高校生はたくさんの”道具”を持っています。
数Aの幾何が苦手でも、「計算でゴリ押す」方針もありえるわけです。
僕自身、数A幾何はかなり苦手な方でしたが、それほど困りませんでしたね。基本がわかってれば十分だと思います。
大学によって、図形の解法として良く使われる分野に、偏りがあります。志望校別に、対策するとより良いです。
ちなみに図形問題の対策したい方は、↓の問題集がオススメです。(北大の問題が、多いです)
薄い本なので、さほど負担にはならないです。
僕の場合は、この本のおかげで、図形に対する苦手意識がなくなりました。
【理系数学】最低限の、参考書ルート
↓
↓
ですね。
やはり微積は外せない。
理系で微積が苦手ってのは、大問題ですからね。
他の参考書は、志望校に応じて、選択してください。
今回は以上。
勉強がんばってね!
※※※※※
- 数学アレルギー
- 参考書より、授業の方が勉強しやすい
って方は、スタディサプリをおすすめします。
よほど数学が得意な方でなければ、参考書「だけ」で勉強するのは、非効率だと思いますよ。
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